田中紳顕
新年度を迎えた1日、各地の大学で入学式が開かれた。新型コロナウイルス対応のまん延防止等重点措置が解除された春をどんな気持ちで迎えたのか。新入生らに聞いた。
東京都新宿区の早稲田大学は「密」を避けるため、昨年度と同じように、2日間に分け、学部ごとの6部制で入学式を開催。出席は新入生に限り、インターネットでの生中継もした。
式を終えると、新入生が笑顔で会場から出てきた。政治経済学部に入学した中田英彦さん(18)は「校歌を耳にして、大学の一体感を感じた」。国際交流に関わるサークルに入りたいといい、「コロナが落ち着いてきたことで、留学生もこれからまた増えてくると聞いた。交流の場が増えたらうれしい」と語った。
高校で始めた競技かるたを大学でも続けたいと話した新入生の女性(18)は、高校ではコロナの影響で団体戦が取りやめになるなど多くの大会が縮小していたという。「コロナが落ち着いてきたので大会も元に戻り始めた。高校で不完全燃焼だったことを大学でやりきりたい」。兵庫県から上京したという高原千皓さん(18)は「勉強にサークルに充実した学生生活を送り、友人も大勢作りたい」と話した。
在校生らもサークル勧誘のビラを配るなどして新入生を出迎えていた。これまではコロナ禍でサークルの活動も制限されていた。ダイビングサークルに所属する2年生の小林京華さん(19)は、「昨年以上に大勢の新入生に集まってもらい、一緒に活動できたらうれしい」と語った。
新学期を迎え、コロナ対策を緩和する大学も出てきた。
明治大学(東京都千代田区)では3月までオンライン授業を原則とし、対面形式の授業は全体の約3割としていたが、新学期からはほぼ全ての授業を対面形式で行うことにした。
慶応義塾大学(東京都港区)も新学期から、対面形式の授業を昨年度の約5割から9割に引き上げる方針。中央大学(東京都八王子市)や青山学院大学(東京都港区)なども原則、対面形式で授業を実施するという。
一方、サークルなどの課外活動は引き続き、いずれの大学も懇親会などの自粛を求めており、宿泊をともなう活動なども制限を設けているという。(田中紳顕)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル